砕石業界2
砕石業界は基本的にパワー系だった。
仕事そのものがパワー系だし、働いている人も使う機械もパワー系だった。
石を砕く機械なので、存在自体が暴力でしかない機械が多い。
まさに暴力装置。
石を砕く事に特化した暴力装置なので、大変頑強かつ大雑把に作られている。
精密な操作はほとんどなく、正式な部品取り替え方法に「ガスバーナーで焼き切った後に大ハンマーで二人掛かりで殴る」というのが大真面目に載っているぐらいだった。
そんな機械を扱う現場の人達もそれはそれはパワー系だった。
あまり物事を考えずにやってしまう人達が多かった。
特に環境のことなんかは全く考えていないようで、現場が山奥なのをいいことにとにかくいろんなものを一緒くたに燃やしていた。
酷いところはエアコンとか家電焼いてた。
家電って燃えるんだって純粋な感心がありましたね、あれを見たときは。
もはや蛮族の所業としか言えない。
当時は何も言えなかったが、グリーンピースとかに密告したら結構な問題になるんじゃないかって案件を結構な数、知っている。