狂った世の中には狂った音楽が必要だと思う
何をやっていたかよくわからない夢うつつのような一年を過ごして、日本に帰ってきた。
来年にはまた日本から出るのでなんとなく働いて過ごそうと思っていたら、世の中の方が狂ってきた。
狂っているのは自分だけでいいのに、疫病で世界全体が狂ってしまった。
なんとなく世の中が描いてくれていた正しさや真面目さの輪郭が全くなくなってしまったので、それに沿うことも反ることもできないのでなんだか居心地が悪いなと思う。
ちょうど10年前、僕らが就職活動をしていた頃に少し世相が似ている気がする。
乱世の雰囲気がある。
多分だけど、これを機に一気にのし上がる人たちがいると思う。
僕はそうはならなさそうだけど。
乱世には乱世に合う音楽がある。
世の中が狂っているときにマトモな音楽を聞くと辛くなってしまう。
就活中〜失業中に空前絶後の不景気と金欠、劣等感と喪失感を味わった僕はそれを嫌と言うほど知っている。
こう言う状況下でマトモな音楽を聞くのはうつ病の人に「がんばれ」と言うのと似ている。
そうしたいけど状況や環境がそれを許さない、そういった時に平常の音楽は毒でしかないのだ。
誰にだって抜き差しならない状況と言うのがある。
思い出としては当時ipodに入っていたサンボマスターに「諦めないでどんな時も」とか言われても、目の前にあるのは日当7,500円の真冬の工場労働だったわけだ。
そんな状況で諦めないでとか言われても無理だわ。
音楽には色々な力がある。
人を勇気付け鼓舞する音楽や人を安らかにして落ち着ける音楽、人の気持ちに寄り添い涙を誘う音楽もある。
そして自分の力ではどうにもならない状況下にいる時、一瞬でも人の気持ちを状況の外に放り出してくれる。
それが狂った音楽だと思う。
今回は今の世の中にぴったりな狂った音楽をいくつか紹介したいと思う。
Sex machineguns「世直しgood viberation」
Aメロから「お前に仕事はない!」と言い切られ、続くBメロで「両親苦労で出た大学も無駄遣い!」と言う罵声を浴びせらる曲が他にあるだろうか?
就活失敗して項垂れる大学生の鼻を膝蹴りでへし折りにいくような曲である。
ちなみに僕は1回目の失業中にこれを聴きながら履歴書書いてた覚えがある。狂っていた。
平沢 進「Rukutun or die」
インド映画と合わせたこのバージョンが一番コクが出るので、あえてこれで。
割と神秘的な音楽を作りがちな平沢進のナンバーの中でも異常にアジア色の強い異色ナンバーである。
疲れているけど作業が終わらない時にドリンク剤的に服用すると、脳が異常をきたしてもう少し頑張れるか諦めがつきます。
戸川純ですね。本当にこの人、目的がわからなくて怖いなといつも思う。
年に一回ぐらい戸川純の怖さを確かめる的に定期的に見ている。
Yoko Ono「Don’t worry kyoko」
5年前ぐらいにも一回有名になった曲なんですが、とにかくすごい。
この人元々リズム感が絶望的にないんですが、年取ってますます酷くなってる感があります。バックバンドは無駄に上手いんだが。
これ聞くと本当になんかなんでもやったもん勝ちだなと思うんですよね。
この動画探してる時にいくつかオノヨーコのライブ映像見つけたんですが、どれも高評価の倍ぐらい低評価つけられてた。
左ト全「老人と子供のポルカ」
もうなんだか全く訳がわからないにも関わらずオリコン10位に入りレコード24万枚を売り上げたと言う異常中の異常曲。
ちなみに歌ってる左氏は黒澤明に重用された名脇役で、七人の侍なんかにも出てる。
誰もが予想しなかった2020年、来てしまったものは仕方がない。
ぼちぼちやっていきましょう。