下京区コンプトン

下京区コンプトンに住んでいました。

ロボット

ロボットの進出が著しいらしい。

あと数十年の間にほとんどの仕事の働き手はロボットに成り替わるらしい。

喜ばしいことだ。人類総ニート時代の到来である。

好きなだけ野宿とSUPに打ち込める。

 

先日、初めてロボットに接客を受けた。

ソフトバンクが作ったペッパー君である。

だが誤作動なのか元々ポンコツなのかはわからないが、ほとんど受け答えはできなかった。

 

後半はずっと「リアクションって言ってください、リアクション〜」と壊れたファービーの如く繰り返していた。

テニサーの大学生並の芸のなさである。

 

正面に立っているとリアクション攻めに遭うことがわかったので、向かって左に避けてみることにした。

すると、奴はこちらの動向を認識しているらしく、こちらに顔を向けてきた。

しかもやや顎をあげ、こちらを見上げる形だ。

ロボットにメンチを切られる21世紀的体験である。

 

ペッパー君の目は白眼がぼんやり光り、黒目は真っ黒に塗られている。

この目が実に不吉なのだ、全く感情を感じさせない。

映画ジョーズロバート・ショウ扮する漁師クイントの「サメの目には感情が全くない、人形のような目をしてやがる」というセリフがあるが、まさにそれである。

全く感情を感じさせない目にこっちをじっと見つめられるのは、大変に不吉な感じがするのだ。

まだまだ接客は人間の分野だなと思った。

 

しかし、あの目は本当に不吉なので軍事転用した方が良いのではないかと思う。

手にライフル銃を持ち、足がセグウェイ状に改造されたペッパー君が、硝煙の中から大軍をなしてこちらに向かってくるのである。

あの目でしっかりとこちらを捉えながら。

なかなかのディストピア感ではなかろうか。