下京区コンプトン

下京区コンプトンに住んでいました。

バール

先日、某古民家をゲストハウスにするための改装作業を手伝った。

まだ着手段階なので、主な作業は解体である。

 

改装作業はまさに破壊と創造なのだが、僕は創造と同じぐらい破壊活動も好きである。

現代日本で派手に破壊して良いものなどそうそうないので、破壊はなかなか昂ぶるものがある。

 

破壊には主にバールを使うのだが、バールは本当に人類の英知だと思う。

梃子の原理を最大限に活かす長いリーチ、僅かな隙間をも捉える刃先、釘抜きにも突き刺しにも使える鎌首状の持ち手。

破壊活動の基本を一手に納めた、まさにリーサルウェポンである。

 

この日はダメになった床板を剥がしまくる作業だった。

床板はかなり頑丈に出来ており、闇雲に壊そうとしてもなかなか上手くいかない。

突き刺せそうな僅かな隙間を見つけ、刃先を入れ、支点を固定し、一気に持ち上げる。

いかに早く、強く、効果的に力を使い、床板を剥ぎ取るか。

 

破壊活動はただ力任せではなく、創造と同じぐらいクリエイティブな活動なのである。

 

破壊した跡は気持ちの良いぐらいのがらんどうが残る。

がらんどうがこれからどんなことになっていくのか、僕は楽しみで仕方がない。

 

破壊の後の創造も、やっぱり面白いですよね。