Don’t trust over thirty
古くからロックの世界にはDon’t trust over thirty (30過ぎたやつのことを信じるな)という言葉がある。
今自分が信じてもらえない側に足を突っ込んで思うことは、この言葉は大変に時代遅れな言葉だ。
この言葉が10代半ばから20代前半に呼び掛けられたものだと仮定すると、逆に10歳程度年上までは信じてもいい範囲に入ってくる。
つまり同じカルチャーを共有しうる範囲だということだ。
しかし、今はどうだろうか?
僕は10歳年上の人間と同じ文化を共有し合えるとは思えないし、10歳年下の人間に無条件に理解してもらえるとも思わない。
なぜなら、時代の流れる速度がかつてとは比べものにならないほど早くなっているからだ。
ケータイひとつとっても、僕が高校の頃はガラケーを従量制で使っていたが、今の高校生はスマホを使い放題使っている。
情報量は雲泥の差がある。
カルチャーはテクノロジーを前提に構築されるので、おそらく今の高校生は僕たちとは全く違ったカルチャーを育んでいるんだと思う。
多分、想像もつかないぐらい細部に渡って違う。
以上のことを鑑みると、僕らがカルチャーを共有できるのは前後3歳差ぐらいかなと思う。
それ以上はおそらく、どこかに無条件に分かり合えない小さなカルチャーショックが隠されている。
でもそれでも構わない。
僕たちは人間なので話し合えるし、理解もしあえる。
共通のルールや条件も作れるし、なんとかやっていける。
一番悲しいことは、相手が自分のカルチャーを当然わかっていると思い込んでその意見を押し付けたり、わかってもらえないことに怒ったりすることだ。
そうしてお互いを断絶し、憎み合うことが一番非生産的でつまらないことだと思う。
今、新しい世代に無条件に信じてもらえない立場になって思うことは、話し合い、理解に努めて、おたがい楽しくやっていく道を模索していこうということである。
気持ちさえあれば、多分なんとでもなるだろうけど。