黄金週間
GWが終わった。
5月3日にあれほど笑顔と希望に満ち溢れていた街も、今日は死んだ目と陰鬱に塗り替えられていた。
考えてみればGWは特別な休暇だと思う。
日本の主だった長期休暇は盆正月GWだが、盆正月はだいたい儀式めいた何かがある。
初詣をしたり、墓参りをしたり、よくわからない親戚のいるめんどくさい寄り合いに顔を出したりと、何かとそこに食い込んでくる文化風習に忙殺されがちだ。
しかしGWは違う。
ただの祝日、それも近代になって制定されたものの集まりなので面倒なしきたりが一切ないのだ。
故に自由度が高く、最も休暇らしく休暇を過ごせるのである。
さらに気候が素晴らしい。
盆は地獄のように暑く、正月は凍えるほど寒い。
どちらもはっきり言って娯楽に適していないのだ。
しかしGWのある五月は天候も安定しており、日本には珍しいさっぱりした気候を楽しめるのである。
実に娯楽向きだ。
それ故に、落胆の色も大きい。
遊びに遊びを尽くしたボロボロの身体で5日間を戦い抜かなければならないのである。
ただ、僕にはその落胆こそ羨ましく思う。
GW中はBBQを横目に出勤し、なんでもない日に休みをもらい手持ち無沙汰になる時、なんとも言えない孤独感を感じるのだ。
そんなことも世の中あるのだ。