下京区コンプトン

下京区コンプトンに住んでいました。

シーシャ

今日はシーシャ好きの友人とシーシャカフェに行っていた。

街中にあるのかと思いきや、上京区の閑静な住宅街の中にあって驚いた。

 

夏らしいフレーバーを吸いながら、友人と他愛のない話をしていた。

外は薄曇りで軽く雨も降っていて、シーシャ特有の気だるい雰囲気にぴったりのだった。

 

シーシャはまだまだマイナーな娯楽だが、だらだら喋るのにはぴったりなので好きだ。

ネガティヴでインモラルな印象を持たれやすいが、ベクトルが違うだけでとてもポジティブだと思う。

 

友人とも話していたが、日本人のポジティブ感では晴天の下で元気に身体を動かすようなイメージばかりが是とされ、シーシャのようなことはネガティヴとして受け入れられる傾向があると思う。

でも、雨天の中ぼんやりシーシャー吸ったり、晴天の日陰でじっくり苔を観察することも、同様にポジティブだと僕は思う。

そういうのも受け入れられる雰囲気できたらいいよね的な話をした。

 

調子に乗って2本目を頼んだら、見事に体調を崩した。

何事も過ぎたるは毒だ。

初めはクラクラが強くなり、冷や汗が出て腹が下り、腰が痛くなるという症状が合わせ技で出てきて不可解だった。

 

家に帰って寝たらすぐに治ったが、多分あれは全身の血流が悪くなっていたんだと思う。

貧血の症状に似ていた。

 

本当に結構つらかったので、次回から2本目は頼まない、酒飲んだら吸わない、空腹で吸わないなどのルール設定をすることにした。

 

でもまた行きたい。

香港

職場に来た香港からのゲスト、アンジェラと仲良くなったので午後から半日観光案内をして来た。

久々の長時間の英会話はとてもハードで、脳汁がダラダラ出るかんじがした。

 

外国のゲストとの話題で多いのは、文化やルールの違いの話だが、今日は物価の話をすることが多かった。

香港は近年、経済発展に伴い物価の上昇がひどくなり市民生活の負担になっているらしい。

特に土地代に関してはさすが狭い香港。

二畳ほどの風呂もトイレもない部屋の家賃が10万円以上するらしい。

若者の一人暮らしなどまず出来ないそうだ。

 

車いじりが趣味のアンジェラは、自分の車を持っているが、駐車場だけで月5万円支払っているらしい。

下京区コンプトンは水道代込みで4万ちょいなので、僕は香港の駐車場代に届かない場所に住んでいるということだ。

香港物価の異常さもあるが、何となく悲しい気持ちになった。

 

そんな他愛のない話をずっとしていたが、今まで縁のなかった香港という土地が急に身近で魅力的に思えるようになって来た。

なんだかんだ言って彼女は香港が好きなのだろう。

土地の魅力は、そういう言葉の断片から滲み出るものなのかも知れない。

 

もはやジャッキーチェンの暴れまわる香港はそこにはないらしい。

僕の香港感を更新するため、近いうちに香港のを訪れたいと思う。

 

 

3時の光

暖かくなってきたので、友達を誘ってSUPをしに行ってきた。

SUPとは、Stand up padleの略語で、大型のサーフボードを漕いで進むスポーツである。

昨年にボードを購入し、ちょくちょく遊んでいる。

 

奥琵琶湖の小さな浜でのんびりしながら、適当にSUPで水面を流したりしていた。

 

ちょうど最後に乗った時が、いわゆる「夕まずめ」の時間帯だった。

魚が最も良く釣れる時間帯の一つである。

 

この時間帯は、とても光が綺麗である。

僕はそれを「3時の光」と呼んでいる。

だいたい夏場の午後3時ごろの光だからだ。

 

この時間帯になると光が斜めに入って来るので、水面が光を反射するようになる。

波が立つとキラキラ輝き、凪いでいるとまるで鏡のようなのっぺりした光沢が出て来る。

どちらも大変に美しい。

 

その中をSUPで漕ぎ出すと、光の中を静かに滑るソリのようである。

昼間吹いていた風も収まり、遠くで響いていた子供たちの声も消え、聞こえるのはパドルの水音と一緒に乗っている友達の声だけだった。

それが、昨日のハイライトで最も印象に残った瞬間だ。

 

この夏あと何回SUPが出来るかわからないが、また3時の光に触れに行ってみたいと思う。

 

カレー屋

近所にカレー屋がある。

スパイスから仕込む系の本格スリランカ風カレーの店だ。

少し値段は高めだが、確かに美味い。

自信を持って人にオススメできる下京区コンプトン界隈の名店である。

 

店の壁がきつめの青で塗ってあるなど、基本クセ強めの店なのだが、特にすごいのがここの店長である。

 

何がすごいかと言うと、本当にいつ見ても人民帽を被っているのだ。

人民帽とは、毛沢東が被っているカーキ色の潰れたアンパンみたいなアレである。

日本で人民帽を普通に被っている人など下北沢にしかいないと思っていたが、まさか我が下京区で出くわすとは。

 

しかも、その人民帽が実にしっくりくる顔出ちをしている上に、ショートボブに口髭という決まりすぎなビジュアルなのである。

狙ってやっているか、相当の香港映画好きかなどちらかである。

 

いつか仲良くなったら「お前に食わせるタンメンはねえ」って言ってもらおうと思っている。

 

ちなみに「ムジャラ」という店です。

金曜日はビリヤニもやってます。

焼きそば定食

先日、ある会社が飛び込み営業でカタログを置いて行った。

カタログには懐かしい名が書いてあった。

大学時代、就活の終わりに最後に行った会社だ。

 

就活の終わりと言っても、どこかから内定が出ていた訳ではない。

折しもリーマンショック後の不況の中、「なんで働いてやるのにスーツ着て頭下げなきゃいけねーんだ」と本気で思っていたノースキルのクソ学生を雇う会社などあるはずがなかった。

 

最初の方は多少マジメにやってもいたが、三ヶ月もしたらほとんどやる気が無くなっていた。

上記のようなメンタリティで、あのような非人間的活動が続く訳ないのだ。

作文を書き、着心地の悪い服を着て、オッサンに会うために大阪に通う毎日。

日に日に無気力になっていき、お祈りメールに対して「うるせー全員死ね」と返信する元気さえ無くなっていた。

せっかくたどり着いた最終面接も、雨でダルいのでキャンセルしたりしていた。

卒業したら南の島で金が尽きるまで隠遁生活を送りたいと本気で思っていた。

 

しかし実家住まいなので何もせずにゴロゴロしているのもバツが悪い。

とりあえずそれらしく会社を受け、格好だけはつけていた。

 

ある日受けた会社は、大阪の鶴橋が本社だった。

鶴橋は行ったことがなかったので、小旅行がてら説明会に行ってみることにした。

 

結果的に言うと、かつて見た中でも最悪の会社だった。

まず説明会の冒頭から小デブの人事が喚いていて不快だった。

とりあえずビデオ見てくれ的なことを言い残して始まったVTRがこれまた酷いのである。

要約すると、飛び込み営業を繰り返して社のために命を賭して働け、といった内容。

なかなか最悪すぎて逆に笑えた。

 

茶番VTRが終わると、小デブが輪をかけて横柄な態度でこう言った。

「これ見てキツいなと思った人、帰っていいからね!ウチは本当にやる気ある奴しか採らないから!」

 

僕は荷物をまとめて帰った。

人事や周囲の嫌な視線を感じながら、元来た道を駅まで戻った。

 

帰り道、僕はダメな奴だと思った。

あの豚の演説の後、席を立ったのは僕を含めて2、3人しかいなかった。

みんな、必死なのだ。

しかし僕はこんなにも無気力で、怠惰で、ぼんやりと生きている。

つくづくダメな奴だと思った。

 

行きはあまり気づかなかったが、駅の周囲はコリアン市場で極彩色の看板や食材があふれていた。

落ち込んでた心が少しだけ、踊る。

足は自然と市場へと踏み出ししていた。

市場をウロウロして、味見したり、匂いでむせたり、おばちゃんに絡まれたりしてるうちに、死んでいた心が蘇って来るような気がした。

 

市場の奥深くに、終戦直後にノリで建てたようなバラック作りの食堂を見つけた。

一番安い焼きそば定食を注文した。

焼きそばにご飯など普段は絶対にやらないが、大阪っぽくて面白いかなと思ったのだ。

 

絶品だった。

絶妙に濃い味の焼きそばと、白ご飯が織り成すハーモニー。

インターバルの具の少ない味噌汁も大変に味があってよかった。

 

腹が満ちれば心も満ちる。

僕はダメな奴かも知れないけど、つまらなくはない。

あいつらよりももっと面白おかしく生きてやろう。

そう思えるようになった。

 

 

今考えると、焦って変なとこを媚びて心を折られなくて良かったと思う。

心を折ると、自分が何をしたいかさえもわからなくなってしまうからだ。

 

今だって楽ではないし、お金もそんなにないけど、なんだかんだで楽しく生きている。

面白くない事も多いけど、これから面白くしていけば良いのだ。

ラスタマン・バイブレイションはポジティブなのだ。

 

今就活で悩んでる人も、気楽にやればいいと思う。

希望するところに入れれば良いけど、ダメだからといって自分を変えることはない。

仕事なんて世界中に無数に転がってるし、色々試して自分に合うものを求めていけば良いのだ。

無職だって全然構わないと思うし、生きてれば何かと色んな事が起こるから、それに流されてみるのもアリかと思う。

逆にお前みたいになりたくねえから、と奮起するのもアリかと思うし、とにかく心を折らずに気ままに頑張ってもらえれば良いかなと思う。

 

もし心が折れそうになったら、JRに乗って鶴橋駅の市場に迷い込み、これだと思う食堂で好きなものをたらふく食べてビールでも飲みましょう。

それから考えれば良いかと思います。

 

そんなことを思い出したので、誰か鶴橋に焼きそば定食食べに行きませんか?

 

 

BBQ

久々にBBQすなるものをした。

普段下京区の場末の飲み屋ばかりで酒をあおっているので、つかの間のリア充になった気分である。

 

野外に出て、集団で炭火を起こして肉を焼く。

非常に原始的かつ単純な作業だが、それだけで普段の何万倍も肉や酒が美味く感じる。

これほどまでにコスパに長けた娯楽はないのではないかと思う。

 

一人暮らしをしていると、まとめ買いした肉を一旦冷凍するので、肉を食べる前に解凍という作業が付いて回る。

自然解凍は時間がかかるし、電子レンジは加減が難しくいので、だんだんと肉を食べるのが億劫に感じてしまうのだ。

 

そんな怠惰のせいで徐々にベジタリアン化しつつある。

ここ一週間はほとんど動物性タンパク質を摂取していなかったので、昨日の肉は大変に美味だった。

昨日妙によく眠れたのはそのせいかも知れない。

 

でもまた日常に戻ると肉食わなくなるので、ちょこちょこBBQを仕掛けていこうと思う。

だって夏だし。

 

ハンドスピナー

最近、街中でをくるくるやってる人を見る。

お客さんも、よくくるくるやっている。

グーグルで調べると、どうやらハンドスピナーというらしい。

 

率直に言って謎だ。

何なのだあれは。

聞くところによると、あれをくるくるすることによって特にメリットはないらしい。

 

ケータイのデータ容量が減るとか、蚊が寄ってこないとか、UFOを呼べるとか、特にそういうのはないらしい。

 

何故人はあれをくるくるするために、わざわざ手に入れてくるくるするのか。

流行りなのか、はたまた何か圧力でもかかっているのか。

 

一つ言えることは、あれをくるくるできる余裕があるうちは平和だということだ。

いつまでもあれをくるくるできるぐらいの余裕のある世の中は、割と豊かで良いと思う。